無料ダウンロード教育の力 (講談社現代新書) pdf
教育の力 (講談社現代新書)
本, 苫野 一徳
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詳細
- タイトル: 教育の力 (講談社現代新書) de 苫野 一徳
- ISBN: 406288254X
- ファイル名: 教育の力-講談社現代新書.pdf
- 発売日: 2014/3/19
- ページ数: 199 ページ
- 出版社: 苫野 一徳
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無料ダウンロード教育の力 (講談社現代新書) pdf - 内容紹介 「ゆとり」か「詰め込み」かなど、教育を巡る議論には様々な対立と齟齬が渦巻いています。こうした混乱を越え、どうすれば〈よい〉教育を作ることができるのか。〈よい〉教育のためにはどのような学校がいいのか? そのための教師の資質とは? 本書は義務教育を中心にどのような教育が本当に〈よい〉と言えるのか、それはどのようにすれば実現できるのかを原理的に解明し、その上で、その実現への筋道を具体的に示してゆきます。「ゆとり」か「詰め込み」か、「平等」か「競争」かなど、教育を巡る議論ほどに対立と齟齬が起こっている問題はないと言っても過言ではありません。しかしそれらは、論者の個人的な感想や思い込みによる独りよがりである場合がほとんどです。みんなが善意と熱意を持って教育を論じるのだけれど、ある種、独りよがりな「思い入れ」や「思い込み」が先走ってしまい、不毛な対立が至るところで引き起こされてしまっている……それが教育を巡る言説の現実ではないでしょうか。しかし、この種の「対立」は冷静に考えてみれば錯覚であることが少なくありません。「ゆとり」か「詰め込み」かと二項対立で問われると、人はつい、どちらかの立場に与してしまいます。しかしそれは実は「問い方のマジック」に陥っているだけなのです。こういった偽の問題による不毛な対立を避けた、本当に意義のある教育を巡る議論が、いまこそ必要とされているのではないでしょうか。こうした混乱に終止符を打つためには教育、とりわけ公教育はそもそも何のために必要なのかをまず定義しなければなりません。著者の考えによるなら、それは一人一人の子供が近代社会のルールを身につけその中でより自由に生きられるようになることということになります。個々の子供の自由の感度こそが社会に対する信頼の土台となり、みんなでよりよい社会を作るという真の意味での市民参加型の民主主義社会の礎となるのです。では、どうすればそのような〈よい〉教育を作ることができるのでしょうか。著者の提案は様々ですが、その一つは、一方的に教師の授業を聞くという受け身の授業を改め、子供たちがある一つのテーマに関して自ら調べ、お互いに教え合う、授業の「プロジェクト化」です。日本ではあまりなじみのない方法ですが、すでにフィンランドやオランダなどでは成果を上げたメソッドです。競争よりも協力の方がそれぞれの子供の学力を上げることはすでに様々なデータで証明されています。〈よい〉教育をつくるためには学校の物理的な「構造」はどうなっているのがいいのか? 〈よい〉教育を行うための教師の資質とは何か? そしてその実現のための〈よい〉社会とは? 本書は、義務教育を中心に、どのような教育が本当に〈よい〉と言えるのか、それはどのようにすれば実現できるのかを原理的に解明し、その上でその実現への筋道を具体的に示してゆくものです。 内容（「BOOK」データベースより） 「平等か競争か」「ゆとりか教え込みか」「教育は子どものためか社会のためか」…教育界に渦巻く不毛な対立を乗り越え、みんなのための、より「よい」教育のあり方を提示する。すべての子どもに“生きる力”を。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 苫野/一徳 1980年生まれ。早稲田大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。早稲田大学教育・総合科学学術院助手などを経て、2014年度より熊本大学教育学部専任講師に就任予定(PD)。専攻は教育学・哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
教育の力 (講談社現代新書)を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
前著『どのような教育が「よい」教育か』を少し一般向けにした感じだが、新書のわりには内容は濃密で、著者の考える「教育の力」を過不足なく語っている。教育は、すべての子どもが〈自由〉な存在になりうるよう、そのために必要な力をはぐくむために行われるもの、そして自らが〈自由〉に生きるために、他者の〈自由〉も承認する、〈自由の相互承認〉の原理に基づいて行われること、この根本の「原理」についての著者の立ち位置は、前著同様決して揺らがない。その上に立って、実際どんな教育が望ましいものか、具体的に論を展開してゆく。まずは学力とは何かという問いをめぐって、たとえば今どんな「学力」が社会で求められているか（知識量だけの学力だけでなく、学び続ける力が必要）、学力格差をどうするか、リジッドな学校制度をどうやって「学ぶ力」を育成する場としていけるか、等が扱われる。続く章でも、学びの個別化、協同化、プロジェクト化など、おそらく今いちばん教育界でホットな問題が丁寧にわかりやすく解説される。次には大学受験というかなり日本に特殊な問題についても、「序列化の伴わない多様化」へと大学のあり方を変える、という明確なビジョンが出されている。いじめの問題と関連して、柔軟性のない日本の学級制のあり方、その極端な同質性志向が問題とされ、なるほどと心から納得する。以上、問題提起はふんだんにあり解決への指針もあるが、やや理想論的な感じもなきにしもあらず。とりわけ、現政権のような価値観があり、それが多かれ少なかれここ数十年の日本社会一般に（それはもちろん戦前から引き継いだ部分が多いのだが）一貫して流れている感は否定できないので、著者の展望があまりリアリティがないと感じるのは私だけだろうか。政治を司る人たちは、実は「自由」という言葉が大嫌いなのではないかとさえ感じられる今日この頃。教育はまず一番に政治に取り込まれる分野であるが、それは、為政者が目的を遂行するのに教育がどんなに大事か、彼らは本能的にあるいは理論的に熟知しているからだ。もちろん実際の政策論やイデオロギー論は本書の範囲外だけれども、本書のような立場からはあまり望ましくない政治に対しては、もっと対峙する姿勢があってもよかったのかなとも思う。けれど、現場で苦闘する心ある先生方は、子どもたちにとって何が必要であるかをきっと肌で感じておられるだろうし、彼らは本書を読んで強力な理論的支柱を得るに違いない。そんな先生方と彼らに育てられた子どもたちに希望を託すしかない。私自身はオランダやフィンランドや、遡ってデューイ等がとことん考え詰めて案出した教育実践が日本で普及する日を夢見ているのだけれども、私が生きているあいだにそれを見るのは無理かも？！
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